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| 7092 | 原爆投下とポツダム宣言 | 王老五 | 07.08.09 | ||||
| 過日、おかしなおっさん、久間防衛大臣の二度目の失言が出、辞任要求が朝野から殺到した際、産経 新聞の産経抄は、原爆投下の話題に及んだ。その経緯のうち、陰謀なるものを載せていた。長閑な ものである。これから述べるポツダム宣言の内容に触れていなかった。産経抄だけでない、幾多の 著書はポツダム宣言から原爆投下に至り、ソ連の満州侵入、そして天皇の玉音放送へという流れで 走っている。 が、いずれも掘り起こしが甘い。 ポツダム宣言の内容を引用した論文はある。が、原文を引用しながら解説する本には、筆者はまだ 接したことがない。 重要な内容は翻訳文だけに固執するのは、非常に危険である。ポツダム宣言が出された時、何とか いう侍従がそれを陛下の元にお持ちした、という。が、それは翻訳されたものではなかったか。裕仁 天皇は英国留学を経験したのだから、原文を合わせて提示しなかったのか、その時の侍従は。 これは筆者がなりわいとする貿易取引においても然りである。通訳、翻訳を通していた日にや、 取引先の肉声が聞こえない。 大陸進出日系企業の失敗の大きな原因のひとつは、通訳を現地雇いする、という点にある、と筆者は 睨む。通訳は経費がかかっても、日本から連れていくべし。無論、通訳を必要としないのが最善である が・・・・。 さて、ポツダム宣言の最後の項、つまり第13項だ。ここに驚愕する内容が書かれてある。 今もポツダム宣言が大日本帝国に向けられて発しられたのは、何月何日かを確認すべく、ネット上で確認 してみた。そこにポツダム宣言の解説があるページがひとつあった。日本語訳のものだけであった。原文はなし。 しかもその日本語訳、第13項はあまり重要視しておらず、他の項に色を変えて強調してあった。わかっていない。 (13) We call upon the government of Japan to proclaim now the unconditional surrender of all Japanese armed forces, and to provide proper and adequate assurances of their good faith in such action. The alternative for Japan is prompt and utter destruction. Washington, DC: Historical Office, Department of State; for sale by the Superintendent of Documents, U.S. G.P.O., 1950, pp. 28-40. 以上の短い、簡潔な文章となっている。 筆者は最初にこの項に接した時、戦慄を覚えた。これまでこのポツダム宣言から敗戦に至るまでの 叙述をした論文その他では、原文に接したことがなかった。 戦慄を覚えるのは、申すまでもなく、最後の文章だ。 The alternative for Japan is prompt and utter destruction 意味は、この文章直前に聯合国側が大日本帝国政府に要求したことに、大日本帝国が応じない場合、残る 選択肢は、早急にてかつ決定的な壊滅を日本が蒙ることなる、と確実に、be動詞で抑え切っている。通常、 婉曲推量に使う助動詞がここに使われていない。それほど聯合国側の決意がここに窺がえる、と読めるのである。 繰り返す、もうポツダム宣言の最後の項の、最後の文章に預言めく、警告がしっかりと謳われている のである。 凡庸な鈴木貫太郎内閣は、「黙殺」することに閣議決定、さらに徹底的かつ末代に至る粗相は、 そのことを鈴木は記者会見で「黙殺することにした。」と口から出してしまったことである。 「黙殺」とは、何ら信号を示さず、黙って見過ごす、という意味なのだ。だから、鈴木はいかなる 場にあっても、そのことを天下に告げては断じてならなかった。 鈴木発言を受けた聯合国は、それを Ignorance という言葉で受け止めた。この英語の意味は、 「無視」だ。つまり、時の大日本帝国政府は、「聯合国が発したポツダム宣言を無視することにした」 と受け止めた。 だから、聯合国は予め警告した通りの作業を実行したに過ぎない。 時の大日本帝国政府は、鈴木貫太郎首相に、米内光政海軍大臣の二人が主に敗戦濃厚な日本の 戦時を操る舵を握っていた。この二人の大罪は二人の墓を掘り起こすだけでは済まぬ。どれほどの 大罪をそれから20日余り後にもたらしたか。 はっきりしている。ポツダム宣言に「壊滅的な破壊を聯合国は日本にもたらす」と警告している のだ。なぜこれをまともに受け止めなかったのか、当時の大日本帝国政府は。 そして、戦後、このあたりの事情について、何ら日本独自で検証がなされていない。うやむやの まま。国会で討論すべき価値がある。喧々囂々の論議を尽くし、そこに失敗があったと確認したならば、 今後にどうそれを防いでいくか、その対策が可能となるものだ。 が、何ら検証が公式に行われない。だから、今後も前車の轍をまた踏むことになろう。 ■ | |||||||
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