7014  小泉内閣が「特定できなかった」という理由で、局長が同行し・・ 王老五 07.02.02

 小泉内閣発足時だ。役者は、小泉総理、真紀子外相、森山法相のさんたりであった。
 男は、小さな子と婦人と一緒の三人連れで成田空港に不法入国。ただちに拘束された。が、
不透明なる理由にて、公安当局がまだ本人を取り調べる必要あり、と主張するも、外務省、法務省
からの圧力にて、拘束してから僅か四日目に、繰り返す、当人一行が不法入国後僅か四日後に、日本
政府はあわてふためいたかのやうに、問題の男を本人の母国でなしに、北京向けに送り返す
ことにした。
 入国管理局の長・森山法相は、「当人を特定できなかった。だから、送り返すことにした」と
国民に真っ赤な嘘をついた。成田から北京への便には、外務省局長が同行した、という。

 その男、「金正男」。
 そう金正日のせがれであり、長男である。このぶくっとした体つきは、数年前成田空港で拘束
された時から変わっていない。恰幅は世界のどこに提示しても劣りはない。この男の父親が、その
国の人民は満足に食物が行き渡らず、通常の先進国では、「減肥」が年頃女性を捉えて離さない
結構な、そしてあくどい商売となっている昨今、この国では餓死さえ出る経済状態の王様である。
 お召し物とて、今様のハイカラな井出達である。



 電子版産経紙の報道も、このSouthChinaMorningPost紙の報道を引用して
いる。どうやら写真そのもののは読売の記者が撮影したようだ。
 一面トップにデカデカとである。

 なぜかSCMP紙、この日、つまり2月1日付紙では、他の頁でもこのトップ記事に加え、三つ
の欄でも取り上げている。
 ご紹介しよう。



 これは社説である。



 マカオにおける金正男の生活ぶりを述べたものである。

 

 よく描いてある風刺漫画だ。
 
 これほど前に特筆大書してSCMP紙は取り上げている。
 翻り、日本は? SCMP紙の記事の要旨の引用でしかない。無邪気なものじゃないか。
 日本は、北朝鮮との緊張は、それが大韓民国、中華人民共和国らのそれと比較ならぬほどである
にも拘らず、のほほんと、他国の新聞記事の引用だけで済ませている。
 北朝鮮と大韓民国とは、そりゃ、同じ朝鮮民族。仮に北朝鮮と日本が衝突するようなことになる
と、大韓民国は北朝鮮に支援すると明言している。一方、中華人民共和国。これは北朝鮮の保護者
にも等しい存在だ。だから、こうしてマカオで金正男が自由な生活を享受できるのだ。
 香港は、というより、SCMP紙は、やはり東アジアの緊張から来る国際情勢を鑑み、こうして
金正男の動向を大きく注目している訳である。
 
 日本。長閑さにも程がある。

 さて、けふ、つまり2月2日付。
 またしても、「金正男」があれでもかこれでもか、という感じである。

 

 これは金家のこれまでの経緯を語っている。

 そしてこれ、・・・



 この記事のことをけふの電子版産経紙が引用している。

 ちょっと試訳してみよう。

「金正日の長男、金正男が、香港にある銀行口座預金を整理すべく、計画していた香港訪問を棚上げに
した。その銀行口座云々は米国主導によるマカオにおける財務査察とは関係していない。
 金はマカオでは行動は控えめながら、派手な生活ぶりである。
 香港、マカオの情報筋によると、金は香港にある銀行預金の説明の為、いったん香港入国の許可が下りた。
 近年、金は香港訪問は数度を数える。が、昨年は入国が不許可だった。それは北朝鮮の核兵器試験に
よる国際世論を考慮に入れたものであった。香港の入国管理局は個人の問題については、言明を避けて
いる。
 金が香港に所有している銀行口座は、BancoDeltaAsiaにて凍結された2400万
米ドルとは関係していない。米国商務省が問題としているのは、同DeltaAsia銀行が、香港に
も支店を数箇所擁しており、それが不透明な北朝鮮資金循環に寄与していることだといっている。
 我が紙は昨日報道したが、金は過去三年に亘ってマカオに生活している。そのマカオを拠点に、
香港、そして欧州に出向いている。金の家族はColoane島の別荘に住んでいるが、当人は、
五星級のホテル住まい。それは実際に目撃されている。
 マカオ及び米国政府は、このことには口を閉ざしたままである。北京では、外交部の姜広報官は、
「金氏がマカオに居るということは知らない」と述べ、それ以上言及は避けている。
 西側情報筋によれば、「金は合法的にマカオに居住しているが、緊張状態における対応のことが
念頭にある。マカオが国際的立場が高まっている現在、この状況は決してよいものではない。」
 新たなる六カ国協議の打ち合わせが来週北京で開始される。それと平行して行われていた、
財務査察問題で、北朝鮮と米国との間の協議は昨日終了し、成果は出なかった。
 日本で発行されている朝鮮系の新聞、「朝鮮新報」は、規制を撤廃しろ、という要求を繰り返して
いた。」

 ここで電子版産経紙の記述をみてみよう。
 同紙とて、「・・・・香港のサウスチャイナモーニングポスト(筆者注:SCMP紙のこと)、2日付
では・・・・・・、」とその引用を明らかにしている。その引用を前提とした文章は次のように続く
・・・

「金正男氏は、・・・・ 香港を訪問しようとした。香港政府は当初入境を許可していたが、その後取り
消した、という。・・・・・・」

 これは、「香港政府が金正男の入境申請を却下した」という主旨になる。「香港政府」が主語である。
 これは多少SCMP紙の報道内容と多少異なる。
 同紙は、「金氏は香港訪問を棚上げした」という表現をしている。つまり、「金氏」が主語となっている。
金が香港当局に「入境を取り消しされた」という記述はどこにもない。
 金の訪港となれば、政治的な要素を持つ。そしてそれくらいの政治度を帯びれば、香港政府独自の判断で
決断は出来まい。北京の意向に沿うしかない。北京側が、暗に仲介者を通じ、「入境を拒否した」と
いうことにしないで、本人自ら訪港を辞退した、という働きかけがあったのだろう。さすれば、金の
面子が立つ。しかも「拒否した」という形跡が香港政府にも残らない。所詮は、北朝鮮の保護者たる
中華人民共和国がそれなりに配慮した顛末であろう。
 愚かななのは、電子版産経紙の報道内容である。枉げちゃいかん。朝日の真似をすな。真相は余人が知り
得ないところだろ。SCMP紙ですらどの程度まで真相に達しているか。が、ここでは真相のいかんが問題
なのではない。産経がちゃんと「サウスチャイナモーニング紙は・・・」と引用した上で述べた報道内容に
対して、筆者は問題化しているのである。引用は引用として正確に報道することだな。産経よ。

 きな臭い国際謀略の舞台からあまりにも遠いのではないか、日本よ。         ■





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