5102  禽流感の脅威 王老五 05.10.22

 筆者が日常接する当地での新聞報道、及びBBC放送、米国の FoX News では、もう一ヶ月前
からこの脅威を繰り返し繰り返し報道続けてきている。
 「日本人ってたいしたものだろう。」とその国の宰相からお墨付きの日本国民だから、とっく
にそうした報道、警告がなされているはず、と筆者は思っていた。
 ところが、先週、日本在住の人、二人ほどに(いずれも六十歳を越えた物事を弁えた紳士)
尋ねてこのことを尋ねてみたところ、二人は異口同音、「いや、日本ではまだそんな報道は
あまり出ていないようだ。」と。
 これが引き金となり、筆者はこのことに警報を発しないといけないと思ったのである。無能な
報道機関をさておき、少なくともこの頁の読者諸賢に知っていただくべし、と思ったのである。

 まず、けふの South China Morning Post 紙の報道ぶりからお示ししよう。



 これが同紙一面の姿をそのまま撮影したものである。
 その見出しは、「中華人民共和国、禽流感対策に真剣になると誓う」とでも訳し得ようか。
 これまで何度も震源地のひとつが大陸から出ている、と欧米、WHOから指摘されてきていた
のに、中華人民共和国は否定、黙殺続けてきていたのである。が、ここまで来るともはや
逃げ腰のままおれず、中央政府がはじめて腰をあげ、この問題に本格的に取り組むことを、
世界に約束した訳だ。
 現実に、また大陸でこの流感で犠牲者が出ている。

 次に同じく本日紙、4頁にさらにこの問題が全世界で展開している事実を報道している。
 別添の写真は、そうやって、世界各地で現実にこの流感との戦いに入っていることを示す
ものであろう。


 
 スペイン、ルーマニア、そしてアジアのタイ各国。実際には、トルコでも実際に同患者が
発生し、それが欧州への拡散の震源地になろうかというところだ。スペインは、1910年
代、スペイン風邪で世界にその名を轟かせた地域であることを思い出す。

 この写真のすぐ下、以下の記事が続いている。



 見出しは、簡単な英語だから、分かるだろう。「世界中の政府が同流感との戦いに一層、
拍車がかかる。」というものだろう。
 ここで筆者は、その「世界中の政府」のところの表現を訂正しなければいけないのでは
ないかと思う。「日本を除く世界中の政府」とすべきではないか。英語に置き換えれば、
Governments worldwide but Japan,,,,,, と。

 さて、その日本国。
 けふ電子版一般紙のうち、朝日と産経を覗いてみた。朝日には報道なし。産経ではやっと
このことに関する報道があった。
 それを引用しよう。

(以下、産経紙、21日付から引用)
 厚生労働省は22日までに、出現が世界的に懸念されている新型インフルエンザに備え、予防や治療、
発生動向の監視など総合的な健康危機対策に取り組む推進本部を設置することを決めた。
 尾辻秀久(おつじ・ひでひさ)厚労相を本部長に、今月下旬にも初会議を開催。発生時の感染
拡大防止や医療措置の具体策を示した全国行動計画の早期策定を重点的に進める。
 農水省や警察庁、国土交通省など10を超す関係省庁による政府レベルの対策会議も計画
されており、新型封じ込めに向け国の対策が本格化する。
 新型に変異する恐れがある高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の患者や死者の発生が
アジアで続き、世界保健機関(WHO)は新型大流行の危険性を警告、各国に対策強化の動きが
広がっている。
 このため厚労省は、健康や医薬品部門だけでなく、高齢者や雇用などの担当部署を含め省を
挙げた対応が必要と判断した。
 行動計画には、正確な情報提供や、抗ウイルス剤の適切な投与、大規模集会や渡航の自粛勧告
などの方策を、発生状況に応じ段階的に盛り込む方針で、近く公表する。また、感染症の専門家
らの協力を得て、診療や検疫、ワクチン開発について研究や有効な方策を進める。(共同)(10/22 15:57)
  {以上、引用終わり}

 驚いたことに今になってやっと政府は推進本部の設置を決めた、ということだ。決定だから、
まだその本部の活動は開始されていない。今月末になって初会議だとさ。
 世界は、今その流感対策の真っ只中というのに、長閑な日本国は、やっと推進本部が動き
出したのでなく、その機関の設置を決定した、という段階なのだ。

 なぜかくも日本政府の反応は鈍いのか。自国民の健康維持を真剣に考えているとはとても
思いにくいが。それともこうした世界の動きに明るくないのか。いみじくも外務省が認めた
ように、たかがバリ島の安全対策ですら、「わが国は情報収集能力がなく・・・・・」と
敗北を認めている。世界に冠たる予算を使い、仕事能力がない、ということを認めているので
ある。
 この流感騒ぎ、仮に「狼少年」に終わったところで、それはそれで幸いとなろう。多少無駄な
経費、時間を浪費することになるが。一方、それが「本当の狼」だったとした場合、もう
この日本の立ち遅れはいかんともし難い、そうなった場合、日本における大失態の責任は、
いったい誰が取るのか、確かあれは今の武部幹事長ではなかったか、狂牛病が最初に日本で
発覚し騒がれた2,3年前の農水相だった頃、ある程度問題が山を越してから、この大臣様が
おっしゃったこと、「要は、みんなの責任なのだ。」と。
 大臣はなんら責任はないらしい。次官とて何ら責任を感じなくてもいいらしい。おお、それ
なら、お前さん達、大臣、次官らは、一般の国民よりどれほどの待遇を得ているのか。その
待遇は何のためか。重い責任を果たして貰う為に、国家がお前さんらにそれなりの待遇を
与えているのではないか。仮に、責任の重さは関わった一般の人皆同じぐらいだったら、
大臣は要らない、次官など廃棄して然るべきではないか。

 これが日本の悪しき伝統なのだ。
 トップレベルに相当する重要人物は誰ひとり責任をとらない、とらなくて逃げ切ることが
出来るシステムになっているのが、戦前から現在に至るまで不文律みたいな空気が生きている。
 これを叩き割らないと、大日本帝国時代は終わっていない。            ■





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