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| 5010 | 英語表現からわかる日本人の性格 | 王老五 | 05.01.23 | ||||
| 本来、こうした横書きは不本意ながらも、横文字を少しく羅列する必要性があると、仕方なくこの ように横書きにて認(したた)める。 過日、ある人に夕食をご馳走して差し上げた。礼儀正しいその人からすかさずその翌日御礼の電郵が 入った。こうしたお礼を申すのに電郵が無礼だと思っているふしが、多くの日本人にある。それは おかしなことだ。電話でお礼をするのが妥当だ、というふうに思い込んでいる。 それは間違いだ。 電話でお礼されるのは、却って迷惑になる。電話というのは、よっぽど迅速性が求めれる場合であり、 同時に相手に諾否を早急に確認する必要のある場合に限ってだろう。 ご馳走になったからといって、そのお礼にわざわざ多忙な相手のことを省みず、その相手の手を 止めるような電話をするのは、不見識も甚だしい、といわねばならない。 大体が「文字を落とした」もので相手に伝えたり、尋ねたりすることが、まったくお粗末な日本紳士 である。すぐに電話に頼る。 仮に「文字に落とした」ものを作成したところで、主語が抜け、目的語が欠け、さらにひどいのに なると、話題が他に展開しているのに、その展開していく過程を何ら特筆することなく、主語抜けのままで 進むから、日本語の文章でありながら、読んでも意味がわからない。ただの日本語の単語の羅列に 過ぎない、そんなのは。話題の節目を区切るべく段落というものなし、行の改行など思いつくことなし。 印字してみれば、ただ目の前にころがっているのは、団子状態になった日本語文字の集団だけで ある。そんなのは文章といわない。 筆者が接していて、まず八割の日本紳士がそんな程度だ。 そんな輩に限り、電郵を送信した直後、わざわざ東シナ海を越えて電話を寄越し、用件はなんの ことはない、そのおのれが発信した電郵内容の補足説明が主な会話内容となる。 これじゃ、いったい何のための電郵か、faxなのか? れっきとした大学を出ていてもそんな有様 なのだ。おいおい、いったい大学で何をしてきたのかね? と問いたくなる。 もちろん、電話はおろか、電郵、fax、手紙という手段でも、一切のお礼を告げてこない不届き者の 方が圧倒的に多いが・・・。 さて、その社会の作法を心得た人から電郵でお礼を頂いた時、 「さて、俺はどう応答したらいいものだろうか?」 と自問自答した。 通常の日本語表現ならば、「いいえ。何もおっしゃらずに。大したことではありません。」という 趣旨で対応するのが一般的だ。つまり、相手のお礼に対し、その謝意を否定することが根底となって いる。 が、英語表現では、It was my pleasure. であるし、 フランス語では、 C'est mon pleasure. となろう。 英語とフランス語の意味はほぼ同じである。 直訳すれば、「それは私の喜びとするところであります。」というところになろう。 そこには、謝意を否定などしていない。その謝意を堂々と受け止め、それによって、謝意を受けた 本人が嬉しい、という意を表しているのである。つまり、肯定形で一貫している。 日本式は「否定形」であるのに反し、欧米の謝意に対する対応は「肯定形」だといえる。 ・・ 似たような例でいけば、・・・・、 旅或は旅行に出発する人に贈る言葉のことにも同じような、彼我の差異がある。否定と肯定。消極と 積極。 日本人どうしじゃ、通常、そうした場合、「気をつけて」と送り出すのが、もっとも一般的だ。 「気をつける」というのは、危ないことがあるかも知れないから、そうした前兆に注意を怠らない ように、という助言である。消極的な思考方法だ。 一方、欧米では、今じゃ英語でも使われるが、Bon Voyage がそれである。それを文字通り、 英語表現は逐語的に置き換えた。 Have a nice trip. である。 ここには、何ら日本語で使う「後ろ向き」の助言はない。あるのは、「前向き」な助言だけだ。 たまには、日本の飛行機会社、旅行代理店の従業員から、「よいご旅行を」と送り出されることは ある。が、これはまさに Have a nice trip. の焼き直しに過ぎない。日本語としてまだぎこちない。 旅、旅行というもの、道中は何が起きるか、神ならぬ身知る由もない。怖いと思えば怖い。危ない のではないか、と懸念すればそうかも知れない。それが日本式助言の下敷きだ。 が、欧米では、それよりも、「しっかり旅、あるいは旅行を楽しんでいらっしゃい。」と肯定的に 捉えている。 これは大いなる相違である。 筆者は、毎日、書く文章は、英語と日本語が半々ぐらいの割合である。 取引先がどこかに出張にでも出る際、英語の場合、すんなり肯定的な気持ちで送り出すことが出来 るのに反し、日本紳士向けとなると、そこは自分の気持ちを消極的に落とし、「お気をつけて・・」 と書かざるを得ない。 どっちの作法が人生を楽しむことが出来るのだろうか? 昨今、中高年、熟年専門の雑誌が、日本に帰省する度に出くわしている。やはりテーマは人生を 楽しむ、ということのようだ。 日本語の拡張子の中だけにいると、楽しむことの出来る守備範囲が狭いことを読者に伝えるべき であろう。 ■ | |||||||
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