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| 4078 | ある日本女性の失踪 | 王老五 | 04.12.05 | ||||
| これは昨日付当地新聞の雄、South China Morning Post紙に掲載されていたものである。 容量の関係でだいぶ当該記事部分を縮小してある。が、見出しは判読できよう。 当地在住の邦人ではないようだ。八月にもう連絡が途絶えた、ということのようだ。 抜書きしてみよう。 The Japanese Consulate has asked the Hong Kong Police to help find a Japanese tourist who vanished after entering the city from the mainland in August. The woman, Hitomi Maekawa, 34, who left Japan for Guangdong to study last year, was reported missing by staff of the Japanese Consulate at Waterfront police station on September 16. The report was lodged after her husband, who is in Japan, lost contact with her and checked with the Japanese authorities, who then asked for assistance from the the Japanese Consulate in Hong Kong. Her husband claimed that the woman left Japan for the mainland on February last year and studied Cantonese at South China university of Technology in Guangzhou. Investigations revealed she had travelled between Guangzhou and Hong Kong many times between February last year and August this year, a police spokeswoman said. Immigration records revealed that her last entry into Hong Kong was in August this year, she said. ちょっとここらで一息入れよう。 失踪届けがあったのは、当の女性の亭主からであった。その亭主は日本在住のまま。当の女性は 広東語を学ぶ為、昨年の二月から廣州の華南工業大学に学習していた。失踪届けがあった今年の八月 までの間、当人は廣州と香港を何度も往復していた。" ということが概要だ。しかし、やや一般的でない。34歳の結婚した女性が、広東語を学ぶ為、 廣州のとある大学に入っていた、とは。何の目的か? 独身ならいざ知らず。 さて、さらに記事を覗いてみよう。 Since then, no information showed she had left the territory through official channels. So we believe she is still in Hong Kong. Offiers were told that the Japanese woman had no relatives or close friends in Hong Kong. But the woman is understood to have used her credit cards to withdraw money and pay bills in Hong Kong before she went missing. さあ、いよいよ核心に触れた。 女性は八月に香港に入って以来、出国したという記録は、出入国管理局にはない。だから、 当人はいまだ香港に滞在している、と当局はみている。さらに当局の調査では、当の女性は、香港 には、親戚はおろか親しい友人とていないそうだ。しかし、失踪する前、今年の八月、当の女性は、 自分のクレジットカードを使って現金を降ろし、何かの支払いをしていた形跡がある。 この箇所に接するまでは、筆者は、「その女性というのは、かつて香港に在住していた経験があり、 今は日本に戻ったが、当時少し習得した広東語をさらに磨きをかけるべく、廣州に留学したのかな。」 という憶測をちらりと持ったが、この箇所を得て、その線は極めて薄い、かつて香港在住の事実は まずない、ということがわかった。 記事では、どれくらいの金額を彼女が香港の銀行から自分のお金を引き下ろしたかは明記していな いが、行間の意を汲めば、何かの目的で金が入用となった、通常、クレジットカードから現金を 降ろすということはあまりしない、そうすれば、そのクレジット会社に金利を取られる、銀行の ATMカードならばその限りではないが、が、その女性は香港で銀行のATMカードを保有していなかった のだろう、だから、入用となったので仕方なしに金利負担を覚悟で、クレジットカードを使い、 現金を降ろしたのだ。 おかしい。買物の支払いならば、いちいち現金化する必要はなく、そのクレジットカードその ままで支払い決済が可能だ。そしてそのクレジットカードそのものの発行がどこの国であっても、 何ら問題なし。仮に香港での決済は、そのまま香港の販売店から香港のクレジットカード会社、 そしてそのクレジットカード会社の日本へと転送され、日本において決済される。その際、 為替相場は通常銀行の窓口の現金での為替相場でなしに、利用者に有利な電信相場が適用される。 ということは、そのお金が入用となったのは、通常のクレジットカード決済が可能でない、何かの 支払いということになる。 日本以上に当地はどんな小さなレストラン、店舗でも、クレジットカードが利く。ホテルとなれば、 もうほとんどといってよい。現金しか通用しないのは逆に限定される。道端の不法みやげ物販売業者、 あるいは、その他のいささか裏道の世界であろう。 この記事は、上記引用文の後は、当人は丸顔で、、という簡単な人相を示し、廣州当局にも協力を 求めたが、廣州側は「当人は既に大陸を出国しているので、我々は何も出来ない」とあっさり 返事してきたこと、別に57歳の英国女性とて失踪して数ヶ月になるのに、未だに手がかりがない、 ことをついでに報道している。 筆者の睨むところ、当の女性はもうとっくに香港からどこかに連れ去られている可能性大と見る。 下手すれば、両手足を切断され、どこか遠い国で見世物になっている可能性とてある。 そのおかしな脱線したのは、廣州にいたころ、言葉巧みに近づいてきてその筋の男に見事に はめられた、とみていいだろう。 とにかく、「甘い」の一言だ。 日本を一歩出れば、街道筋は、匪賊、山賊、その他の羅漢ばかりだ、という認識が極めて浅い。 ことに大陸支那は、19世紀初頭、大陸に暫く滞在したことのある英国記者が喝破している、 「支那は、官吏と匪賊以外は、存在しない。」 と。それは19世紀の話だ、古いと一笑は出来ない。開放以後、大陸はそうした意味では、いっそう 19世紀の支那に戻っているのである。 − 完 − | |||||||
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