4066  国民と小泉内閣をせせら嗤う害務省 王老五 04.11.08

 このSCMP紙の記事は概要を、「害務省の醜聞で塗れた野上氏が、英国大使に栄転する。これだ
け不名誉な醜聞に関わっていながら、英国大使に転出するという人事は、意外だ。そしてそれはいかに小泉内閣の指導力が欠けているかを如実に示すものである。」というところ
だろう。


 
 この人事の楽屋裏は、外務省に押し切られ、しかももともと外交に詳しくなく、邦字紙の報道で
目立たぬようにこれを載せることを報道界に逆に官邸が押し切り、あとは頬かむりだ、という小泉側の
態勢だったであろう。

 SCMP紙が極東以外の記事を書く際は、ほとんど毛唐編集員の作業だ。ということは、この記事
だけでなく、そうしたことが欧米に伝わっている、ということだ。 これは、単に醜聞の主・野上個人
の泥塗りだけでなく、それを承認した内閣の見識を疑う、という受け止め方になる。

 ここに、小泉内閣はただ霞ヶ関の書くシナリオ上に踊るのが主な仕事、という実態が垣間見える。

 害務省・・・。
 されば、これも触れなければ片手落ちとなろう。そうだ、以前この頁で「いずれ害務省のことには
さらに触れる」と筆者は読者諸兄にお約束したではないか。
 
     「さらば外務省!」 天木直人著  発行・講談社

 著者は、前駐レバノン特命全権大使の職にあった。真に国家に尽くすべく、小泉首相への進言書を
認め、それを外務省上司に提出した。それが外務省上層部に沿わず、肝心の建白書を当時の川口外相に
すら提示することなしに、竹内次官は天木氏を辞任に追い込んだというものである。

 同著はずばり書いている。
 「鉄面皮宰相のスタンドプレー」・・・ 無論、小泉純一郎のことだ。はっきりと著者は、
 「私は、けっして小泉純一郎を許さない」と斬っている。

 細部は同書に譲ることにして、何よりも前半だけを読み、腹正しく思われたのは、現在次官の地位に
上り詰めている竹内が、まだ北米局長の頃、在米公館長会議の席上、以下のような本音を漏らした
ことである。

 「国民に知恵がついてきているので、外交がやりにくくなってきている。」
 
 裏を返せば、”国民に何にも知らせない、無知の状態においておく方が、外交がやりやすかった”
ということになる。
 つまり、国民に知られたくない、ということだ。誰しも、”知られたくない”ものがあるとすれば、
それは当然悪事に決まっている。ということは、外務省がころがしている外交とは、悪事に近いもの
である、という結論に達する。

 これが税金を食って、国民の公僕が嘯く事実なのだ。

 仮に、著者の記述に誤りがあれば、当然外務省本体、あるいは竹内個人からも、発行者及び著者を
相手取って訴訟が起きても然るべき内容である。
 が、同書が陳列棚に出て以来、そんな訴訟があったとは、ついぞ聞かれない。ということは、
著者の記述に誤りがない、事実だった、ということに帰趨する。

 この聞き捨てならぬ台詞、なぜ野党がこれを取り上げないか? 「ひたむきに、まじめに」だけを
念仏唱えていても何ら国民に役立っていない。そんな政党は解散すべし。
 さらに、報道機関とてなぜ捉えないか?

 こんな国民を愚弄する事務次官がいまだにその任にあること自体が、日本の国家体制のお粗末さを
表すものではないか。一方では、不名誉のおっさん、野上は英国大使に栄転。
 外務省のやっていることは、まさに国家、国民など、まるで眼中なく、本当の機密に使うほど
緊張した外交工作などは縁がなく、せっせと仲間あるいはおのれの胃袋か衣装棚に消える機密費と
なしている。

 日本は、中世の時代とさして変わらぬ。

                                 −完ー





                                                                      元へ戻る