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| 4029 | 自らの祖国を裏切る商人に手を貸す日本人 | 王老五 | 04.06.07 | ||||
| 仰々しい題名になってしまった。 日本人にとり、憧れの的であるブランド商品の雄である。当地香港でも、この二、三年、めっきりその愛好者が増加した。 今や、七〇歳、八〇歳の老人のみだけでなく、家政婦業として出稼ぎに当地に来ているフィリピン女性、インドネシア女性 らにも珍しくなくなってきている。もう彼女らの制服の一部だ。 確か、一、二年前、東京は六本木だか、原宿にそのLVの大型専門店が開店した際には、開店前夜には徹夜で二〇〇人 とか三〇〇人が列をついたとか、という消息が当地の新聞、SCMP紙に写真入りで大きく掲載されていたのが、まだ 記憶に新しい。その時、まだ20代を出たばかりの女性が、一挙に二〇〇万円近くの買物をしたそうだ。 その列に並ぶ中には、ドラ娘の為にけなげにも列に連なっている親達の姿があった。 以上の光景は、欧米ではとても想像すら出来ない、別の惑星の出来事のように映るものである。 大体があのLVという袋物、大部分がビニールに似た化学製品の生地から出来上がっている、皮を使った部分は、 ほんの一部となっている。生産原価からすれば、それは通常そう高価にはなり得ないものであるが、なぜか我らがLVだけは 異なるようだ。製造原価の積算方式という法則はなく、宣伝をうまくこなし、極東の消費者を「お前さん達はLVの文化には 不適当だ」とこきおろしながら、逆に極東の消費者の憧れの袋物にしてしまう、実に巧妙な仕掛けのようだ。 十数年前、まだ当地香港には、そのLV直営専門店は確か、中環に一店、そして尖沙咀は半島酒店にひとつの合計二店しか なかったように記憶している。 その頃、半島酒店の方を日本から来港した取引先の依頼で、何度か覗いたことがある。 店内を占めている客の顔ぶれは、95%以上が日本人観光客だった。 さらに驚いたことに、店側が客に対し、店への入場を時間制限していたことだ。運良く入れた人を次の番だと期待して 廊下に待機している日本人客の流れは、切れることはなかった。 その取引先の紳士は、どうやら娘に頼まれ、時間が空いていればその店に覗くことにしていた。が、それは仕事の 合間ゆゑ、日本人観光客のように長閑に廊下で待機している訳にはいかなかった。 そんなある日、たまたまその半島酒店の近くで昼食を済ませた同氏は、ふいにその店が目と鼻の先にあることを思い出し、 「悪いが、もう一度あの店に行ってみようと思うが。。」と。 氏はその頃、60歳を越えていた。 で、氏をより20歳以上は若い筆者は、半島酒店に入ってからは、目指すLVに店に足を急いだ。 ちょうど食事時間だったので、日本人観光客とて昼休みをきめこんでいたのか、うまい具合にひとつの入店許可を得た 一群が店内に入り、店側の男性店員が扉を閉めんとする刹那、その一群が中に入れば、廊下に次の待機者がいない、 さすれば今だ、今を失うと午後にまた陸続とやってくる日本人観光客に優先順位を奪われてしまう、そうだ、今だ、と 気付いた時は、扉がほぼ締まりかけていた。 筆者は、瞬間のダッシュを決め、片足を閉まる寸前のドアの隙間に挟み込んだ、そうしておいて時間を稼ぎ、後から 汗ふきふきやってくる60歳の取引先の入店許可を待つ・・・・という行動に移った。 足をつっこまれちゃ仕様がない、という顔でそのLV店の男性店員は苦笑しながら、改めてドアを開け、我々二人を中に 入れてくれた。 そして、60歳氏は娘の依頼品二点のうち、一点を購入できたのであった、あとの一点は在庫なしということであった。 これを称するならば、「LV強引入店作戦」とでいふべきか? さて、これが数日前、「都市日報」に掲載されていた記事である。 見出しが十分にこの記事内容をずばり言い当てている。 「このほどフランスで新しい本が発行された。それによれば、第二次大戦中、LV社は密かに敵国ナチドイツと連絡をとり、 商売をしていた。」 というものである。 去る六月六日。フランスはノルマンジーにて、ある式典が行われ、世界の領袖が参加していた。 英語で、D-Day といっている。 つまり、大陸を席巻していたナチドイツ軍に対し、反攻のきっかけを作るべき、連合軍はドイツ軍の予想を覆し、 ノルマンジーに上陸開始したのであった。そしてそれが成功し、それ以降、ドイツの退却を迫っていったのである。連合国に とり、それはそれは記念すべき日なのである。 が、その式典には、ドイツの首相とて参加していた。 その写真から受ける印象を、後日また別に述べる。 フランスが降伏。そしてロンドンがドイツの空襲で街を真っ赤に焼かれ、欧州はまったくドイツの手に落ちだも同然だった のだ。そのノルマンジー上陸作戦の前までは。 これまで数々のナチ占領下のパリで生んだレジスタンスを主題にした映画が作られている。 それほどフランスは敵ドイツは憎くて憎くて堪らん、という環境下だったのだ。 そんな時、密かにナチドイツに通じ、銭儲けをせっせと企んでいたのが、当時のLV社なのだ、という新しい事実を 暴露した本が、それである。 さすれば、ずいぶん飛躍しているとお叱りを受けるかも知れぬが、そんな「祖国を平気で売る商人」に、せっせと銭を 払ってあげ、そのブランドの宣伝にこれ努めているのが、今の日本人ということになる。 − 完 − | |||||||
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