4017  良識の府における非良識ぶり、Et tu Brutus ! 王老五 04.03.14

まず、以下の新聞掲載写真をご覧になっていただきたい。
 昨日のSCMP紙、一面トップに掲載されていた。筆者は一瞬、「おっ。またか、日本の良識の府よ!」と思った。が、
よくみれば、隣国・韓国の良識の府であった。が、さらに目を澄ませれば、どこにも淑女がこの乱闘場面に存在して
いない。とすれば、韓国の方が、まだ、日本より、良識度が上とみていいのか?


 右側の紳士など、まさにプロレスの場外乱闘を思わしめる勇姿である。
 新日本プロレスなど、この人物をスカウトした方がいいのではあるまいか?

 SCMP紙には、よく台湾議会のこうした場面が掲載される。もう読者には慣れっこになっていよう。
 そして、昨年は淑女を交えた良識の府における乱闘場面、言わずと知れた日本国のそれである。

 当地、、テレビ、新聞などの消息では、やはり欧米のそれが一番よく入ってくるといって過言ではなかろうか?
 その欧米の次には大陸であろう。
 が、欧米の良識の府でこのような乱闘場面は、これまで接したことはない。筆者は、通算これで十三年に亘る
香港生活であるが、未だにそれは出くわしたことがない。
 
 出くわすのは、極東の国々のそれである。

 普通、一般に良識の府に出入りを許可される人士は、当然、一般人以上に良識を持っているものという前提が
あるし、またそうでないと、何のための良識の府だか、意味がない。欧米における良識の府は、流石にこうした
ドタバタに縁のない本当の良識の人士が、討論、議論する為に選ばれている、ということになる。
 だとすれば、極東の国々、日本、韓国、台湾、、決して良識を持つ人士が良識の府に出入りを許可されてはいない、
ことになる。非良識の人士が出入りしていることになる。じゃ、本当の良識ある人々はどこにいるのか?

 スポーツ。
 ことに激しい体のぶつかり合いを本文とし、しかも一応欧米・極東でも行われているラグビーに例をとろう。
無論、この発祥地は英国である。
 これは極めて激しいスポーツである、身体に防護など殆どしないから、怪我の発生が一番多い。筆者とて二十代、
関西社会人リーグ三部のチーム在籍したしたことがある。ラグビーは学生時代、本ちゃんではやってきていなかった。
学生時代はレスリングをやってきた。だから、ラグビーとなったところで、さほど違和感はなかった。高校時代の
サッカーとて大いに寄与したものだ。
 それだけ激しいから、つい選手どうしで感情的になりやすい。これは仕方のないこと。
 日本の有名な早慶戦、あるいは社会人大会の全国大会。。。
 選手どうしが手を出して乱闘になることは、めったにない。睨み合いぐらいはあるが。そこまでに止めている。

 一方、発祥地英国。
 Twickenham。London郊外。ここに有名な国際試合を展開するラグビー場がある。筆者はその近くに、今から三十年
近い前、下宿していたことがある。下宿仲間(アイルランド出身の青年)と一緒に近くの名門Richmondクラブに
出向き、飛び入り練習をさせてもらったことがある。気持よく見知らぬ我々二人を受け入れてくれた懐の深さ。
 が、大試合となれば、選手の誰とて興奮する。大体、ひとつの試合で2,3度、選手どうしの小競り合いが生ま
れる。

 これはどうしてなのか?
 極東では、選手どうしの小競り合いはめったにない。皆抑えている。
 が、発祥地の英国では、ひと試合に必ずそれが発生する。
 
 スポーツ選手レベルでは、極東の日本人選手の方が、はるかに良識を持った人士である、といえよう。
(『都の西北』の学校には、グラウンドの外で女性相手に狼藉を働くような、低劣なものいるが・・・)
 英国の選手らは、良識面ではさほどのものを有しておらず、ただ馬車馬のように暴れるだけ、ともいえよう。
無論、選手のそれは一部であるが。大概の選手は良識のある人士ばかりだった、という印象を、筆者はその
Richmondクラブで汗をかかせてもらった経験でそういうことが出来る。

 そのスポーツ選手レベルでは良識ある節度を保持している日本人が、肝心の良識の府に参加できるような人士と
なると、逆にその程度が下がる、というのが実情である。
 逆に、英国では、スポーツ選手の一部はそうであっても、議会に議論をたたかわすエリートともなれば、あの
ような乱闘とは無縁となるのであろう。
 そして政党のリーダーを務めるような政治家となれば、文学、歴史の談義とて、専門家と伍していけるだけの深い
素養を持つ。
 以前、フランスの元大統領、ジスカール・ジスタンが、在任中であっても、テレビのそうした文学の談義に、
文学者らと一緒になって歓談していた。

 当地香港。 
 最後の総督。Patten氏。
 数年前、BBC番組のひとつで、英国の女流作家が若い頃過ごしたイタリアを中心に、その作家の足取りを辿る
キャスター役を務めていた。歴代の総督は外交官であったが、この人は、純然たる政治家、当時のJohnMajorの
右腕であった。
 香港の日本人社会では、このPatten氏には辛い点を上げていた。それはあまりにも北京と激しく対立する、
というのが主な理由のようであった。それは香港日本人倶楽部の会員誌から容易に窺い知れるところであった。

 が、当時、我が社にいたあるスタッフの話では、
「Patten氏はすごい。毎年、ラジオでの公開質問大会があり、歴代の総督が通訳を使い、市民からの苦情・質問・
指摘なんでも受けつけ、その場で応答するものだが、Patten氏だけは、言葉は通訳に頼らざるを得ないが、質問の
内容さえわかれば、すべて本人が市民ひとりひとりの質問に答えていた、すごい。」ということだった。

 今の日本? 小泉がラジオかテレビの公開質問大会を催した場合、当人が大抵の案件に本人が周囲の力を借り
ないで堂々とした回答が出来ると思うか? 火星に生活するよりも難しいだろう、それは。

 これほど差があるのだ、欧米と日本及び極東の隣国を比べれば、良識の府に出入りを許される人士の質に、歴然と
した差があるのだ。むしろ、一般国民レベルでの差は、そこまではなかろう。
 ここが日本の悲劇なのだ。
 小泉よ、お前さん、さっさと退いてくれ。さすれば他の非良識人士とて右倣えするであろう。

                             − 完 −





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